桜も終わり、いよいよ、本格的な春です。
そして、草木も芽吹き、花が咲き、正に、誕生の春です。
私のお袋は、はると言う名の、大正産まれの女性(ひと)でしたが、字数が悪いからと、普段は、春子と名乗っていました。
父親を早くに亡くした所為か、3人の兄や、お婆ちゃんに、甘やかされて育てられ、私達子供にも、我が儘を言うお袋でした。
それは、それは、恐いお袋で…、私が、小さい頃は、この世に、鬼が居るとしたら、きっと、お袋だろうなと、思う様な女性でした。
それくらいに、自分の意見を通し、頑固で、気丈な女性でしたが、自分自身が、大人になって、親の立場になってみると、母親として、実に、深い愛情を持った女性だったんだと、気付かされたものです。
そんなお袋も、5年前の春、親父を追う様に逝ってしまいました。
自分を産んでくれて、そして、恐かったけど、無償の愛で守り、育ててくれたお袋は、正に、大正生まれの偉大な日本の母でした。
そんなお袋の居ない今は、とても、とても、寂しい春です。